UiPathで複数ファイルをドラッグ&ドロップする方法
UiPathのドラッグ&ドロップについてはこちらの記事でやり方を紹介しています。
このやり方、実は妙なクセがあり、複数ファイルを選択した際はうまく動作しません。
例えばRecordingで複数ファイル選択操作を記録しようとした場合、
おそらくマウスの範囲選択で複数ファイルを指定します。
その後、どれか1つのファイルをドラッグ&ドロップで目的の場所へ移動させます。
UiPathではドラッグ&ドロップをHoverアクティビティを組み合わせることで実現していますが、
このやり方では1ファイルの時しか動作できません。
ということで、今回は複数ファイルのドラッグ&ドロップのやり方を紹介します。
1.まずキーボードでCtrlキーを押し続ける
「Type Into」アクティビティを選択してワークフローの中にドラッグアンドドロップします。
Ctrlキーなので「Send Hotkey」アクティビティと考えるかもしれませんが、
こちらは押した後に離してしまいますので、ファイルの複数選択ができません。
キーの押しっぱなしをするにはType Intoアクティビティで押しっぱなしの指定をする必要があります。
※Type Intoの上記のような設定はこちらでも紹介しています。
まずType Intoで「”[d(ctrl)]”」と入力します。
「Indicate On Screen」を選択し、どれでもよいので選択したいファイルの1つを指定してください。
2.1ファイル目のドラッグ開始する場所(始点)で左クリックを押し続ける設定をする
「Click」アクティビティを選択してワークフローの中にドラッグアンドドロップします。
ここは1ファイルの時と変わりません。
Clickアクティビティの「Indicate On Screen」を選択し、左クリックを押し続ける対象を指定し、
Clickアクティビティのプロパティウィンドウから「Input」>「ClickType」の中にあるプルダウンメニューを開き、
メニューから「CLICK_DOWN」を選択します。ここも1ファイルの時と一緒です。
3.残りの選択したいファイルすべてに対してClickを1つずつ設定していく
先ほど行った1の手順の設定を選択したいすべてのファイル(フォルダ)ごとにそれぞれ設定していってください。
要は「CLICK_DOWN」をドラッグアンドドロップしたい全ファイルに設定してあげればOKです。
4.ドロップする場所(終点)を指定する
「Hover」アクティビティを選択してワークフローの中にドラッグアンドドロップします。
ここも1ファイルの時と変わりはありません。1回のみ設定すればよいです。
「Indicate On Screen」を選択し、「マウスをドラッグして移動させたい先」を指定します。
5.ドロップする(マウスから指を離す)
1と同じように「Click」アクティビティを選択してワークフローの中にドラッグアンドドロップします。
Clickアクティビティの「Indicate On Screen」を選択し、2で選択したものと同じ対象(終点)を指定し、
Clickアクティビティのプロパティウィンドウから「Input」>「ClickType」の中にあるプルダウンメニューを開き、
メニューから「CLICK_UP」を選択します。
なお、この時はどれか1つの設定のみで大丈夫です。
6.キーボードのCtrlキーを離す
最後にもう一つType Intoアクティビティを追加します。
「Indicate On Screen」についてはどこでもよいですが、
とりあえずファイル等を移動させたい先などにしておきましょう。
1のType Intoアクティビティの逆の設定をすることで、Ctrlキーを離します。
上記のように「”[u(ctrl)]”」と入力してください。
こうしておかないと、動作が終わった後もCtrlキーが押されたままになってしまいます。
以上で複数ファイルをドラッグ&ドロップすることができます。
(注意点)ファイル名について
例えばデスクトップ上のファイルを選択しようとした場合、
ファイル名がかなり長いと、クリックで選択すると名称がすべて表示され次のファイルの上に重なってしまうことがあります。
こうした状況になると、次に選択したいファイルがすぐ下にある場合にクリックをしたくても、前の長いファイル名の部分をクリックするので、
うまく選択ができません。この場合以下のような対処方法が考えられます。
1.複数をあきらめて繰り返しで対応する。
ファイル名さえ分かっていればSelectorのファイル名部分を変えるだけですので、1ファイルずつを繰り返しということも可能です。
2.ファイル表示方法を変える
たとえばデスクトップでも、エクスプローラから開けば名前がいくら長くても横にしか伸びません。
これを利用して、エクスプローラをまず開いて設定を行う方法で回避できます。
Start Processアクティビティを使って”explorer.exe”を指定すればエクスプローラが開きます。
例えばC:\を開きたい場合は以下の様に設定します。
そのあと、ファイルを一覧表示に変えてから動作させればほかのファイルに名前が重なることはありません。